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建設廃棄物処理で違反をしないために 建設廃棄物処理のルールを学ぶ

第6回
マニフェスト

2014/06/26

託処理における主な実施事項は以下のとおりです。このうち、前回は「委託契約書」について紹介しました。今回は「マニフェスト」について紹介します。

委託処理における主な実施事項

許可業者への委託

産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合は、都道府県政令市より許可を得た収集運搬業者または処分業者にそれぞれ委託しなければなりません。また、産業廃棄物の種類などの委託内容が、許可内容に含まれていることを確認しなければなりません。

委託契約書

産業廃棄物の運搬または処分を委託する場合は、法定事項を記載した書面により契約しなければなりません。また、委託契約書に処理業者の許可証の写し(コピー)を添付して、契約の終了の日から5年間保存しなければなりません。

マニフェスト

産業廃棄物を搬出する際には廃棄物の種類ごとにマニフェストを交付しなければなりません。

1. マニフェストの交付と保存

排出事業者は、産業廃棄物の引渡しと同時にマニフェストを、(廃棄物の種類ごとに)交付しなければなりません。また、交付時の控え(A票)および処理業者から返送された伝票(B2票、D票、E票)を5年間保存しなければなりません。

2. マニフェストの流れ

補助解説

伝票の流れについて、に以下のフロー図を掲載しています。

  • マニフェストの流れ(中間処理業者に委託する場合)
  • マニフェストの流れ(最終処分業者、再生業者に委託する場合)
(参考)このフロー図の要旨は以下のとおりです。

・マニフェストの流れ(中間処理業者に委託する場合)

例えば、木くずを焼却処分する中間処理業者に委託した場合、D票は焼却後に返送されますが、E票は焼却処分より生じた産業廃棄物である「燃えがら」「ばいじん」が最終処分された後に、E票が返送されることになります。

・マニフェストの流れ(最終処分業者、再生業者に委託する場合)

コンクリート、アスコンを破砕する中間処理施設において、破砕後に再生骨材という商品となる場合、最終処分と同等の再生が行われたとして、D票とE票が破砕後に同時に返送されます。

3. マニフェストの様式

記載事項は定められていますが、様式は指定されていません。どのような伝票を用いるかは処理業者と相談してください。

マニフェストの様式例は以下のとおりです。

  • 建設系廃棄物マニフェスト(建設六団体副産物対策協議会)
  • 産業廃棄物処理委託契約書((公社)全国産業資源循環連合会))

※公共工事においては、一般的に「建設系廃棄物マニフェスト」が使用されています。

4. マニフェストが返送されない場合の措置

以下の場合は、これより30日以内に、法定様式(措置内容等報告書)を用いて県政令市に報告しなければなりません。

  • 90日(特別管理産業廃棄物の場合は60日)を過ぎてもB2票、D票が返送されない場合
  • 180日を過ぎてもE票が返送されない場合
  • 返送されたマニフェストに記載の不備などがある場合

5. 電子マニフェスト

電子マニフェストを使用する場合は、廃棄物処理法に定める指定機関「情報処理センター」((公財)日本産業廃棄物処理振興センター)の運用する「JWネット」に登録しなければなりません。

補足細説

マニフェストの交付、保存などの法定実施事項を怠った場合、以下の罰則に該当することになります。

罰則(一部抜粋)
違反事項 行為者 法人
(両罰規定)
25条 委託基準違反(無許可業者への委託)
処理施設許可設置違反(建設汚泥の脱水施設など)
5年以下、
1000万円以下
1000万円以下
26条 委託基準違反(書面による委託契約と許可証の写しの添付、処理料金の記載など政令に定める基準に違反)
再委託基準違反(政令に定める基準に違反)
3年以下、
300万円以下
300万円以下
27条
の2
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の虚偽記載等違反 1年以下、
100万円以下
100万円以下
トラブル事例
マニフェストの不交付等
引受け禁止違反
対応策

自ら運搬により中間処理施設に持ち込む場合の対応について

自ら運搬により中間処理施設に持ち込む場合であっても、処分は委託していることになりますので、処分の委託を記載したマニフェストを携行しなければなりません。

なお、このマニフェストで自ら運搬の携行書面を兼ねることができます。この詳細については、第3回の記事をご確認ください。

質問コーナー
Q :
排出事業者が自ら運搬して、工事現場から(処分を委託した)中間委託施設まで運搬する場合、マニフェストにはどのように記入するのですか。
A :
多くの記入方法が考えられますので、中間委託業者と相談してください。
一例として、以下の方法を紹介します。(建設系廃棄物マニフェストの場合)
  • 「運搬受託者(1)」欄に「自社運搬」と記入
  • 「運搬の受託(1)」欄に職員名(と会社名)を記入

(補足解説)

収集運搬の委託がないためマニフェストは不要となりますが、処分の委託に用いるマニフェストが自ら運搬の携行書面を兼ねることになると考えてください。
詳細:「建設系廃棄物マニフェストのしくみ」(マニフェストQ&A、Q7.、32p(建設マニフェスト販売センター) http://mani.gr.jp/?page_id=22

原稿協力

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