2013/06/20
日本のGDPに占める建設投資は約9%ですが、建設事業に投入される資材等の資源量は、資源利用量全体(総物質投入量)のおよそ30%を占めています。このため建設事業における資材の有効利用、再生利用などの取組みは、資源循環型社会構築のために極めて重要です。
建界副産物とは、建設工事に伴って副次的に得られる物品であり、再生可能な資源及び廃棄物を含むものです。
国土交通省では原則として5年に一度、全国規模での建設副産物実態調査を実施し、建設事業から発生する廃棄物、並びに再生資源の把握等を行っています。
直近の平成20年度の調査結果をみると、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊、建設発生木材等の発生量は6,400万t、再生資源である建設発生土は1億4000万m³です。
平成2年度の建設副産物実態調査では、廃棄物のリサイクル率が50%程度でしたが、平成20年度のリサイクル率は93%を超え、世界でも最高水準のリサイクル率を達成しています。また、利用土砂の建設発生土利用率についても約80%と、工事間利用調整の実施等により利用率が向上しています。
平成3年に制定された「再生資源の利用の促進に関する法律」を受け、国土交通省は同年に「公共工事における再生資源活用の当面の運用について」(リサイクル原則化ルール)を策定、また平成9年には建設リサイクルの目標値を設定した「建設リサイクル推進計画97」を策定し、平成10年に「建設リサイクルガイドライン」を通知、平成14年には、「建設リサイクル法」を施行するなど、国土交通省は建設リサイクルの推進に係る制度や施策を充実させてきました。
「建設リサイクル法」では、一定規模以上の工事での分別解体と特定建設資材廃棄物の再資源化等を義務付けています。
詳細については、下記を参照してください。
国土交通省所管の直轄工事を対象とした「建設リサイクルガイドライン」では、計画、設計、発注、施工の各段階において各担当者がリサイクル計画書を作成し、この計画書に基づいて建設副産物対策に関する検討・調整を行うこととしています。
また多くの自治体では、この「建設リサイクルガイドライン」を準用しています。
同ガイドラインの内容、及びガイドラインにより作成する計画書等については、以下を参照してください。
建設副産物リサイクルの推進にあたっては、「建設リサイクル法」等を遵守して建設資材廃棄物の分別により混合廃棄物を削減すること、また分別した廃棄物を適正な再資源化施設、中間処理施設で処理することが重要です。また廃棄物の処理は、建設現場からの運搬を含め、「廃棄物の処理と清掃にかかわる法律」(廃棄物処理法)を遵守して適正に実施しなければなりません。
廃棄物処理法に関しては、下記を参照してください。
また廃棄物処理法の概要(建設事業に関連の大きい事項と留意事項)については、下記の最終ページをご覧下さい。
建設副産物リサイクルの推進を目的として、北海道から沖縄まで全国10のブロックで建設副産物対策連絡協議会が設置されています。それぞれの協議会では、地方整備局等の国の機関、都道府県、政令市、建設業団体等が協力して、地域ごとに建設副産物対策に取り組んでいます。
全国的な広報組織としては、上記の10の協議会と(社)日本建設業連合会、(社)全国建設業協会、建設廃棄物協同組合など、30余りの関係団体を会員とする建設副産物リサイクル広報推進会議が組織されています。
建設副産物リサイクル広報推進会議の活動状況については、下記を御覧下さい。
(寄稿:一般財団法人 先端建設技術センター 新妻 弘章氏)
次回からは、「建設発生土」「コンクリートガラ」「汚泥・木材」「建設混合廃棄物」といった具体的な建設副産物について、その対応と処理を紹介していきます。
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