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建設副産物のリサイクル 建設業界で話題の出来事をConCom独自の視点でご紹介

第4回
コンクリート塊および
アスファルト・コンクリート塊のリサイクル

2013/09/20

成20年度の建設副産物実態調査では、コンクリート塊の発生量は3,100万トン、アスファルト・コンクリート塊の発生量は2,000万トンあり、これらの2品目で建設廃棄物の80%程度占めています。リサイクル率は、コンクリート塊で97%、アスファルト・コンクリート塊(道路舗装廃材)で98%を超え、極めて高いリサイクル率となっています。

    図表4.UCR事業の手続きの流れ 出典:UCR資料図)コンクリート塊およびアスファルト・コンクリート塊のリサイクルフロー

コンクリート塊のリサイクル

ンクリート塊を破砕して再生砕石を造り、それを路盤材料等に再利用するリサイクルが始まったのは昭和50年代のはじめ頃で、首都高速湾岸線の葛西橋梁の据付工事の仮設道路工事において初めて再生砕石が採用されました。その後、建設省関東地方建設局や東京都港湾局などが発注する多くの公共工事で再生砕石が使用されるようになり、併行して再生砕石の技術基準や設計単価などが定められました。

また、コンクリート塊を土木材料として再生する再資源化施設も急増し、コンクリート塊のリサイクルは着実に進展しました。

コンクリート塊のリサイクルをさらに推進するためには、再生材料の利用用途の拡大を図っていくことも大切です。このため、コンクリート塊を破砕した後に骨材の廻りに付着したモルタルを除去してコンクリート骨材として再利用するための検討が進められました。再生骨材L、M、HのJIS規格は、平成17年~19年にかけて制定されました。
しかしながら、これらの骨材を製造するプラントが僅かな数に留まっていること等により、コンクリート用骨材としての利用はなかなか進展しないのが現状です。

再生コンクリート骨材のJIS規格の一覧再生コンクリート骨材のJIS規格の一覧

昨今は、とりわけ昭和30年代後半からの高度経済成長期に造られた構造物が更新時期を迎え、このために解体・改築に伴って発生するコンクリート塊が急激に増加しています。一方で、公共投資の抑制などによって、再生砕石や再生砂の需要は減少してきています。前述しましたように、再生骨材としての利用もなかなか伸びていません。このような結果として、コンクリート塊に係る需給バランスが崩れてしまったために、コンクリート塊をすべて受け入れることのできない再資源化施設も増えてきました。

アスファルト・コンクリート塊のリサイクル

再生砕石製造再生砕石製造

スファルト・コンクリート塊(道路舗装廃材)についても、昭和50年頃から再生利用を図るための検討が始まりました。
当初はコンクリート塊と同様に、破砕した砕石を路盤材料に再利用していました。その後、アスファルト混合物への再生利用についての検討が実施され、昭和50年代後半から舗装材料として再利用する再生加熱アスファルト混合物の利用が始まりました。

現在ではアスファルト舗装の70%以上は、アスファルト・コンクリート塊をリサイクルした再生加熱アスファルト混合物が使用されています。

再生加熱アスファルト混合物は、新規アスファルト合材と道路舗装廃材とを混合して造りますが、再生加熱アスファルト混合物に占める道路舗装廃材の割合は、重量比で30%~50%程度となっています。道路舗装廃材をアスファルト混合物として再利用する事により、骨材だけでなくアスファルトも再生利用されることになり、破砕して路盤材としてリサイクルするよりは、質の高いリサイクルと言えます。

再生加熱アスファルト混合物の品質は、道路舗装廃材の品質とその混合割合に影響されます。従ってアスファルト合材プラントでは、道路舗装廃材の管理が重要となります。

道路舗装は、車両通行台数にもよりますが、通常は10年程度で打ち換えが行われているため、アスファルト・コンクリート塊のリサイクルは、すでに繰り返しリサイクルする再々リサイクルの時代に入っています。

コンクリート塊等の適正なリサイクルに向けて

車場に敷かれた再生砕石の中にアスベスト含有建材の破片が混入していた事が報道されました。平成20年以前には多くのアスベスト含有建材が製造されています。スレートボードの破片などはコンクリート砕石と酷似しているため解体工事現場では、分別解体の徹底が求められます。また、再生砕石を利用する場合には、コンクリート塊の受入れ管理等が十分になされている再資源化施設からの調達が重要です。

参考PDF
参考URL

高いリサイクル率を維持するために

再生コンクリート骨材L再生コンクリート骨材L

ンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊は、ともに高い水準でリサイクルが行われていますが、先にも述べましたように、解体コンクリートの増加や建設工事の減少で、需給バランスが崩れています。これからは路盤材や盛土材料だけでなく、他用途利用のための基準策定やコンクリート骨材としての積極的な利用に向けた課題解決が重要となってきます。

次回は、汚泥・木材・混合廃棄物の処理について紹介する予定です。

寄稿

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