2023/06/01
著者/三上美絵
出版社/株式会社技術評論社
発行日/2023年3月24日
ISBN/9784297133443
定価/2,200円+税
筆者が、「かわいい土木」((一財)建設業振興基金の月刊誌「建設業しんこう」)や「ドボたんが行く!」(webマガジン「アクティオノート」)で、寄稿を連載した構造物を、一冊にまとめて紹介した本書。
全国を旅して見つけた『かわいい土木』について、第1部『とにかく愛らしい!厳選キュートなドボク』、第2章『あなたの隣にも?身近にあるドボク』、第3章『「困った」が治った!生活を変えたドボク』に分けて紹介している。
例えば、表紙を飾る「水戸市水道低区配水塔」は、その愛らしい外観が魅力。カップケーキのような形状のみならず、上部正面には消防ホースをモチーフとした2つのレリーフ、1階入口の上部には「水」の文字が浮かぶ梅の花のかたちの扁額など、近代水道の発展を象徴する誇りに満ちた要素が詰まっている。平成11年に停止し、役目を終えたが、水戸市民の熱い思いから、近代水道の象徴として保存されることになったことは、技術者冥利に尽きるのではないか。なお設計者の後藤鶴松氏は、起工式当日に生まれた娘に「塔美子」と名付けるほど、「塔」に対する熱意が溢れていたことを伺えるエピソードも残っている。
本書では、このような土木構造物が計41紹介されている。「まずは見た目から興味を持ち、建造された歴史的背景や構造、役割などを調べることで、土木構造物へのさらなる愛着を深めてほしい」著者の想いが詰まった一冊。
※ 本書で掲載されている一部の土木構造物については、CONCOM「土木遺産を訪ねて」のコンテンツでも紹介しています。こちらは、構造物だけでなく周辺の見どころなどもレポートしていますので、実際に現地を訪れて見学する際には、こちらの情報も参考にしてみてください。
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