ConCom 掲示板

こんなときはどうしよう? 今さら聞けないこんなこと これって正しいの?

建設現場で直面する課題、日ごろの作業の疑問、資格試験の相談など。みなさんで盛り上げてください。

掲示板を見る

お役立ちリンク集 日々の作業で使える情報へ一発リンク

現場の失敗と対策 このコンテンツは現場で働く皆さんの参考としていただきたくよう、実際の施工にあたっての失敗事例と対策を記載したものです。土工事、コンクリート工事、基礎工事の3分野を対象として事例を順次掲載していきますので参考にしてください。

コンクリート工事打設中(締固め)

梁の底部にジャンカが発生

2013/09/20

工事の概要とトラブルの内容

図1図1

さ1.5mの梁のコンクリート打設に当たり、上側の鉄筋が密でポンプ車のホースが梁の鉄筋のなかに入らなかった。このため、コンクリートを上筋の上にもこもこと盛り上げ、バイブレータで型枠内にコンクリートを落とし、打設していた。(図1)

流し込んだコンクリートは十分、締め固めたつもりだったが、型枠を外すと、梁の隅角にジャンカができていた。

原因と対処方法

ジャンカの原因はバイブレータの締め固め不良が多いが、今回のケースは締め固め以前に、粗骨材とモルタル分の材料分離が起きていて粗骨材が噛み合った箇所にモルタルが行き渡らなかったためと考えられる。

コンクリート標準示方書には「ポンプ配管等の吐出口と打ち込み面までの高さは1.5m以下を標準とする」と書いてある。事例では打ち込み高さ1.5mは保てていたが、鉄筋間隔が狭いためコンクリートはストレートに落下せず、盛り上がったコンクリートにバイブレータがかかると、鉄筋にじゃまされないモルタル分が落下し、次に粗骨材が落下するという状況で、さらに落下した粗骨材は下筋に当たり跳ね返りするなどして、材料分離が発生、ジャンカとなったと考えられた。

ジャンカはモルタルによる左官仕上げで補修した。

同様の失敗をしないための事前検討・準備

図2図2

コンクリート工事の中で最も多い失敗はジャンカの発生であり、CONCOMの連載でも1月と4月に事例が掲載されている。今回の事例もジャンカである。建物の梁に発生したジャンカはいつまでも補修の痕が残り、美観上も良いものではない。

今回のケースでは、上側の鉄筋の結束を外してポンプ車のフレキシブルホースを梁の中まで入れてコンクリートを流し込めば、このような事態にはならなかった。(図2)

積算上、コンクリートの打設には鉄筋工は計上されていない。ところが部位によっては、コンクリート打設に鉄筋工が必要になる場合がある。最初から最後まで、鉄筋工が張り付いている必要は無いが、本事例のようにホースを挿入するために組み立てた鉄筋をばらして、再度、組み直す必要がある場合や、スラブのコンクリートなど、ポンプ車配管の振動や作業員の歩行により、鉄筋の結束が緩むことが想定される場合には、再度結束するため、コンクリートの打設に鉄筋工を配置すると良い。

「現場の失敗と対策」編集委員会

編集委員会では、現場で起こりうる失敗をわかりやすく体系的に理解できるよう事例の形で解説しています。みなさんの経験やご意見をお聞かせください。

新着記事

土木遺産を訪ねて

2024/11/01

File 40 三石の煉瓦拱渠群

今回の歩いて学ぶ土木遺産は、JR男鹿駅から船川港にある選奨土木遺産「第一船入場防波堤」と「第二船入場防波堤」をめざす行程です。出発点となるJR男鹿駅(2018年新設)の駅舎は...

現場の失敗と対策

2024/11/01
基礎工事 1)オールケーシング 硬質地盤におけるケーシングの引抜き不能

コラム

2024/11/01
自己治癒コンクリートについて思う

働き方改革

2024/11/01

日常の労務管理Q&A 第4回~時間外労働について

もちろん、業務上必要な残業は、36協定の範囲内で命じることができます。そもそも36協定(時間外・休日労働に関する協定届)とは...

トピックス

2024/11/01

令和6年度 土木学会選奨土木遺産 ―阪神甲子園球場など14件を選定―

公益社団法人土木学会は、令和6年度の「選奨土木遺産」に認定した14件を発表しました。今回は、廃川敷に計画された「甲子園開発」の先駆けとして...

今月の一冊

2024/11/01

『建設 未来への挑戦 国土づくりを担うプロフェッショナルたちの経験』

最先端のデジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)、女性や高齢者、外国人などが活躍できる多様性の実現、働き方改革など、従来のイメージを変革するさまざまな...