2016/09/29
集合住宅建設における工事監理者の業務を主体とした「現場監理の達人 集合住宅編」では、全37回にわたり工種ごとの工事監理のポイントについて、専門用語の解説や事例写真を使いわかり易く解説しています。工種別のチェックリストもPDF 形式でダウンロードできますので、ぜひ業務に活用ください。
マンションの建具工事では、大きく鋼製建具工事(アルミ、スチール、ステンレスなど)と木製建具工事に分けらえます。鋼製建具工事は、建物の外観のデザインを決める大切な要素であり、機能的にも重要な工事です。鋼製建具の寸法は設計図書で定められていますが、現場では仕上げとの関係を検討し、寸法を調整することがあります。鋼製建具の施工図(サッシ図)では仕上げとの納まりが検討されていることが重要です。たとえば、仕上げがタイルの場合にはタイル割りに合わせて鋼製建具の寸法を決め、タイル割りと鋼製建具に合わせて躯体図の寸法を決めます。監理者はサッシ図で施工者が十分に検討していることを確認します。
鋼製建具は建築基準法の排煙基準、換気基準、採光基準、避難通路基準などとも関係するので、鋼製建具の寸法を変更した場合には注意が必要です。仕上げから鋼製建具の寸法を決めますが、現場では躯体打設後、最初に鋼製建具を施工します。鋼製建具が取付けられたら、鋼製建具を基準にして仕上げを造っていきます。鋼製建具の仕様、納まり、法令、取付け状況などの確認が、監理者の重要な監理項目になります。
木製建具工事の監理で重要なことは、監理者は実際に使う人のことを想定して、使い勝手が良いかどうか、使う人のニーズが満たされているかどうかを確認します。ガラス工事では、ガラスの種類、網入りの有無など、使う人のニーズや法令との適合などの確認が重要になります。
シャッター工事は、小規模なものは手動で動かすものがありますが、大きなものは手動ではたいへんなので電動で開閉します。天井がある場合には、モーターや危害防止装置等のメンテナンスが必要なので点検口が付けられます。点検口は点検がしやすい位置につけることが重要です。
鋼製建具を取付け後に、建具の周囲をモルタル埋めし固定します。引き続いてアルミ製建具は、ガラスをはめ込みます。ガラスが入ると雨が室内に入らなくなり、内装工事に進むことができます。
ガラスは破損しやすいので、トラックにガラスを固定する器具がついていて、破損しないように注意して搬入します。
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