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現場の失敗と対策 このコンテンツは現場で働く皆さんの参考としていただきたくよう、実際の施工にあたっての失敗事例と対策を記載したものです。土工事、コンクリート工事、基礎工事の3分野を対象として事例を順次掲載していきますので参考にしてください。

土工事3)地盤改良

高圧噴射攪拌工法の
立坑の矢板欠損部防護箇所からの漏水

2014/02/26

工事の概要とトラブルの内容

水道整備事業において、既設下水管と交差するシールドトンネルの到達立坑を施工することとなった(図1)。立坑は矢板による土留めを計画していたが、既設下水管(φ2000mm)が埋設されている位置の矢板欠損部の防護を目的として、砂質地盤(N値N=10~30)を対象に高圧噴射工法(φ3500)による固化改良が計画された。改良範囲は図2に示すように矢板端部の親杭(H鋼)が打設された箇所の背面とした。立坑の掘削を開始したところ10m程度掘削した際に矢板欠損部付近の掘削面から20ℓ/分程度の漏水が生じたため、漏水対策を講じることとなった。

  • 図1 改良断面図図1 改良断面図
  • 図2 改良断面図図2 改良平面図

原因と対処方法

事前検討の段階から、鋼矢板(Ⅴ型)とH鋼の境界付近は高圧噴射工法のジェット噴流が遮られて、改良できない領域が生じることも想定されていた。実際に漏水が発生したのも当該箇所であったため、事前に検討しておいた下記の対策を実施した。

1)漏水は縦方向の数箇所から生じており、降雨時には漏水量の増加が観測された。薬液注入工法等により漏水を完全に止めようとすると、周辺地下水位が上昇してさらに大きな水圧が改良体に作用し、より大規模な漏水を誘発する可能性があった。そのため、比較的漏水の多い2箇所で鋼矢板に穴をあけて、水抜き孔(管)を設置し、周辺地下水位を低下させた。

2)その他の漏水箇所は、矢板に漏水箇所を塞ぐように鉄板を溶接し、改良体壁面と鉄板の間に充填材を打設することで漏水を止め、漏水による土砂流失防止と水道(みずみち)が広がることを防止した。

同様の失敗をしないための事前検討・準備、施工時の留意事項等

高圧噴射攪拌工法は、噴射圧力により地盤を切削し固化改良を行う工法である。地中障害物や転石があった場合には、その背面は改良されていないことがしばしばあるため、留意が必要である。特に、改良体から漏水が生じた場合の止水対策は早急な対策を講じる必要があるため、事前に対策を検討しておくことが重要である。その際、軟弱粘土層が分布し圧密沈下が予想される場合や周辺井戸の利用状況により水位低下が許されない場合には上記1)の地下水低下は適用できないことに留意する必要がある。本事案では、事前に検討しておいた対処法により、工事進捗に影響を与えることはなかった。今回の事例のように、事前に検討を行っておくことで、問題が発生した場合にも落ち着いて対処することができる。

「現場の失敗と対策」編集委員会

現場でよくある失敗例をより体系的に理解できるよう、編集委員会を設置し「現場の失敗と対策」をバージョンアップしました(2013年6月)。 皆さんの業務の参考としてください。みなさんのご意見をお待ちしています。

編集委員会の詳細を見る

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