「現場の失敗と対策」編集委員が現場や研究の中で感じた思いや、
技術者に関わる情報を綴っています。
2026/07/01
CBR(California Bearing Ratio:路床土支持力比)は、1928~1929年にPorter(ポーター)がカリフォルニア州でたわみ性舗装の破壊状況を調査した際、路床・路盤材料の支持力特性を簡便に比較する方法として考案された。その後、アメリカ陸軍工兵隊(Corps of Engineers)に引き継がれ、1942年にはAASHO(American Association of State Highway and Transportation Officials)の試験法として基準化された1)。
試験方法は、直径50㎜のピストンを一定速度で土中に貫入させ、貫入量と載荷荷重を測定し、基準貫入量時の載荷荷重を標準荷重と比較して相対的な強さを求めるものである。標準荷重は、代表的なクラッシャーランを用いて多数の貫入試験を行い、その平均値をCBR=100%と定めている。
CBR試験は舗装厚さ設計のための路床強度評価法として開発されたが、装置が簡便で、粘性土から粒状材料まで幅広く適用できることから、現在では路床土に限らず地盤材料の強度評価法としてJIS A1211「CBR試験方法」が広く利用されている2)。 本コラムでは、特に混同されやすい修正CBRと設計CBRの求め方について整理する。表-1には、代表的な機関における供試体作製方法の違いを示す。
修正CBR試験は、路床材料や路盤材料の評価・選定のために用いられる試験である。修正CBRは「所定の最大乾燥密度に対する所要の締固め度に相当する路盤材料及び盛土材料の品質を表す指標。」と定義される2)。 言い換えれば、現場で目標とする締固め度におけるCBRを意味する。
国土交通省関東地方整備局の基準によると下層路盤における粒状路盤材料は修正CBR20%以上とされている3)。
路床材料では、供試体を自然含水比Wnの状態で作製する点が路盤材料と異なる。なお、修正CBRを路床材の選定や設計CBRの決定に用いているのは、表-1に示す発注機関では高速道路(以下「NEXCO」と略す。)だけであることがわかる。
① ρdmaxとWoptの把握
路盤材料と同様に修正プロクター法でρdmaxとWoptを求める。
② 自然含水比と最適含水比の関係による供試体作製条件の違い
③ 所要締固め度に対応するCBRを読み取る
路盤と同様に、ρdmaxと所要締固め度(95%または90%)に対応するρdとρd–CBR曲線の交点が修正CBRとなる。図の例示では約24%となる。通常修正CBRといえば締固め度95%の場合をいうことが多いが、締固め度90%を規定している機関もある。
NEXCOでは、上部路床は締固め度95%で修正CBR10以上、下部路床は締固め度90%で修正CBR5以上と規定されている。 なお、自然含水比が高すぎてオーバーコンパクションとなり、1層あたりの突き固め回数が92回でも所定密度に達しない場合は、各層92回で突き固めた供試体のCBRを修正CBRとしている4)。
設計CBRは、「アスファルト舗装の厚さを決定する場合に必要となる路床の支持力を表す指標。路床土がほぼ一様な区間内で,道路延長方向と路床の深さ方向とについて求めた幾つかのCBRの測定値から,それらを代表するように決めたもの。」と定義される2)。 ここで路床とは、舗装設計施工指針によれば「舗装の下の原地盤のうち、舗装の支持力層として構造計算に用いる層。また、原地盤改良し、構造計算上、交通荷重の分散を期待する場合には、その改良した層を構築路床、その下部を路床(原地盤)といい、併せて路床という。」とある5)。
舗装調査・試験法便覧では、試験器具(モールド内径150mm、高さ125mm、ランマー4.5kg)を用い、自然含水比の試料に対して1種類の締固めエネルギーで供試体を作製し、CBRを求める方法が採用されている。供試体は3層構造とし、各層の締固め回数は67回と規定されている6)。この試験法は昭和42年のアスファルト舗装要綱の改定において定められたものであり、修正CBRのように複数エネルギーを用いない理由は、以下の通りとされている7)。
本稿では、混同されやすい 修正CBR と 設計CBR の違いと求め方について、機関ごとの考え方の違いを含めて整理した。 CBRは室内試験材料と現場材料の粒度の違いや、試験を4日水浸後に実施していることなどにより、室内試験結果が現場の状態と一致しない場合がある。
したがって、施工および品質管理にあたっては、現場条件を的確に把握し、要求性能に応じて設計通りの性能が確保されているかを確認することが重要と考えられる。
本コラムが業務の一助となれば幸いである。
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