
2026/04/01
建設業の労働災害発生状況の長期推移をみると、死亡者数はピークであった昭和36 年の2,652 人と比べ令和6 年は232 人と、この60 数年間で9 割以上も減少しました。
建設業は、労働集約型(ヒューマンエラー多し)、単品受注生産(設備対策に限りあり)、作業内容が日々刻々と変わる(常に安全100点は極めて困難)、多業種の専門工事業者が入退場を繰り返す(危険がわからなくなる)などにより、装置型産業の製造業と比べ安全対策が難しいと言われ続けてきましが、その建設業の死亡災害が大幅に減少してきたのは、先人達の努力の賜物と言えます。大いに讃えられるべきものです。
しかしながら、依然として200人超、数多くの方が亡くなっており、今後の更なる減少が求められています。
最近の労働災害発生状況に目を向けると、平成23 年以降、建設業の休業4 日以上死傷者数は下げ止まり傾向が顕著に見受けられます。
労働災害が下げ止まっているということは、これまでのやり方だけではダメで、新しいやり方が必要であることを明確に物語っています。
それでは、新しいやり方には何があげられるのでしょうか?
一つには、作業員の内なる要因に目を向けることです。厚生労働省第14次労働災害防止計画(令和5年度~令和9年度)においても作業員の行動に起因する労働災害の防止が重点対策にあげられています。
作業員の内なる要因、具体的には、ヒューマンエラー災害の原因となる人間の行動特性(自分だけでは自分の命を守れない)、危険感受性の低下(危険に鈍感)、外国人(日本語がわからない)、高年齢者(身体機能の低下)、若者(うまく指導できない)、熱中症(身体にたまった熱がうまく出せない)、疲労(集中力、判断力の低下)、健康問題(基礎疾患が被災につながる)、安全意識の低下(災害を自分事ととらえられない)などがあげられます。
その他には、これまでは元請主導の安全対策で大きな成果を収めてきましたが、新しいやり方として、今後は、実作業の安全問題を深掘りできる協力会社の安全活動の自主性向上も求められてきます。
このように、今、新しい安全対策が求められていることから、本連載では、建設業の労働災害の実態を踏まえつつ、これら作業員の内なる要因に目を向けた安全対策、協力会社の自主性向上等、令和の時代の新しい安全対策を考えていきます。
(著)東京都市大学客員教授/事故防止研究所代表
高木元也
令和の時代の新しい安全対策
現場の失敗と対策
コラム
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