コラム:編集委員の独り言…

「現場の失敗と対策」編集委員が現場や研究の中で感じた思いや、
技術者に関わる情報を綴っています。

2026/10/01

コーン指数をどう読むか
―コーン貫入試験の使い分けと留意点―

1.はじめに

施工現場では、「コーン指数が500kN/m²以上あるか」「この発生土は第何種に区分されるか」といった会話がよく交わされる。コーン指数は、施工機械のトラフィカビリティ(走行性)の評価や、建設発生土の土質区分などに用いられる、実務上なじみの深い指標である。

一方で、「コーン貫入試験」には複数の試験方法があり、代表的なものとして、締固めた土を対象とする JIS A 1228 「締固めた土のコーン指数試験」1)と、現場地盤を対象とする JGS 1431「ポータブルコーン貫入試験」2) がある。いずれもコーンを土に貫入して抵抗を求める試験であるが、試験の目的、測定対象、用いるコーンの底面積が異なる。

本稿では、コーン指数の実務での使われ方と、試験結果を扱う際の留意点を整理する。特に、建設発生土の利用においてコーン指数が過度に絶対視されやすい点についても考えてみたい。

2. コーン指数は何に使われるか

コーン指数は、地盤や土材料の「貫入されにくさ」を数値化したものであり、値が大きいほど硬い、または締まった状態にあると解釈される。実務では、主に次のような場面で用いられる。

  • 施工機械が軟弱地盤上を走行できるかを判断するトラフィカビリティ評価
  • 建設発生土の強度特性による区分
  • 安定処理土や改良土の品質確認
  • 表層地盤の強さや軟弱層の範囲の概略把握

表-1は、建設機械の走行性の目安として示されるコーン指数の例である。現場で「この機械が走れるか」を判断する際には、機械の接地圧だけでなく、地盤の含水状態やこね返しの影響も併せて確認する必要がある。

表-1 建設機械の走行に必要なコーン指数の目安3)を一部修正

表-1 建設機械の走行に必要なコーン指数の目安3)を一部修正

また、建設発生土の区分では、コーン指数が分類指標の一つとして用いられる。表-2は強度特性による区分の考え方を整理したものである。ここで重要なのは、コーン指数の求め方がJIS A 1228 「締固めた土のコーン指数試験」に基づくものであり、しかも一層25回で締め固めたものと定義されていることである。数値だけで判断するのではなく、その数値がどの試験方法に基づくものかを確認することが重要である。

表-2 建設発生土の強度特性による分類の例4)

表-2 建設発生土の強度特性による分類の例4)

3.JIS A 1228 と JGS 1431 の違い

JIS A 1228 と JGS 1431 を比較して表-3のとおり整理した。JIS A 1228 は、室内で締固めた供試体にコーンを貫入し、締固めた土のコーン指数を求める試験である。建設発生土の区分や、安定処理土・改良土の品質確認など、土工材料としての強度を評価する場面で使われる。

一方、JGS 1431 は、ポータブルコーンペネトロメーターを用いて、原位置の地盤に直接コーンを貫入する試験であり、もともとは米国陸軍が軟弱地盤における軍用車のトラフィカビリティ(走行性)を簡単に判別する目的で開発したものが原型である。現在の試験方法は単管式と二重管式があるが、単管式の場合は、総重量が8kg(ロッド5m分)程度と軽量で携帯に便利であり、かつ操作も容易であることから、現場で比較的簡便に表層地盤の硬さを把握できる。軟弱地盤表層の強度や、支持力特性の把握、トラフィカビリティ評価の概略把握に向いている。

表-3  JIS A 1228 と JGS 1431 の比較

表-3  JIS A 1228 と JGS 1431 の比較

4. コーン底面積が異なることの意味と人力貫入を前提としたコーン底面積の考察

本稿で特に強調したいのは、同じ「コーン指数 qc」という言葉で表されていても、試験方法によってコーンの底面積が異なる点である。JIS A 1228 では底面積324mm²のコーン、JGS 1431 では底面積645mm²のコーンが用いられ、両者の底面積はほぼ2倍異なる。図-1に324 mm²と645 mm²コーンの形状を比較した。

図-1 324 mm²コーンと645 mm²コーンの形状比較(概略)

図-1 324 mm²コーンと645 mm²コーンの形状比較(概略)

コーンペネトロメーターは、本来、押込み用ハンドルを用いて人力で貫入することを基本とした試験である。JIS A 1228でも、底面積324±4 mm²の先端コーンを用い、人力で所定の速度(1cm/sec)により貫入させることが基本となっている。

必要な貫入力Qは、コーン指数qcと底面積Aの積(Q=qc×A)で求められる。表-4にそれぞれの試験に必要な貫入力を比較した。同じコーン指数を測定する場合、底面積が大きいほど必要な押込み力も大きくなる。

表-4  コーン底面積と貫入力の比較

表-4  コーン底面積と貫入力の比較

注:kgf換算は標準重力加速度9.80665 m/s²による。1 kgf≒10 Nの簡略換算では、324 mm²コーンは約32.4 kgf・48.6 kgf、645 mm²コーンは約64.5 kgf・96.8 kgfとなる。

どちらのコーン試験でも適用範囲は1.0 MN/m²から1.5 MN/m²とされているが、645 mm²コーンでは、qc=1.0 MN/m²で約65.8 kgf、1.5 MN/m²で約98.7 kgfの押込み力が必要となり、人力で1cm/secという所定の速度を保ちながら安定して貫入することは容易ではない。また単管式の場合ロッドの径はφ16mmであり、324 mm²コーンだと直径がφ20.3mmと余り差がないため、貫入深さが1m以上になるとロッド周面摩擦の影響が顕著になるため324 mm²コーンは基準から外したと記載されている2)。確かに深さ方向に精度を求めるなら、その通りかもしれないが、表層部のトラフィカビリティの把握を目的とし、人力による現場試験としての実用性を重視するならば、JGS 1431についても324 mm²コーンを採用することは検討に値すると筆者は考える。なお、高速道路会社では「現場コーン指数試験方法」として底面積324mm²のコーンを規定している5)。

5.コーン指数は性能指標なのだろうか

建設発生土の区分に示されるコーン指数は、本来、土の強度特性を分類し、利用方法を検討するための指標の一つである。しかし実務では、コンクリートの設計基準強度や鉄筋の降伏強度のように材料の適用の可否を判断する基準のような指標として扱われることがある。

本来土は自然材料であり、含水状態、粒度、締固め特性、現場の施工条件、利用目的によって評価は変わることもある。

ここでは、土のコーン指数が時間とともに変化する二つの事例を示す。図-2は、立川ロームと多摩ロームを一定条件で締め固めて供試体を作製し、含水比を一定に保ちながら、所定の養生日数後にコーン指数を測定した結果である。立川ロームは養生日数とともに強度が継続して増加し、90日後には初期強度の約1.4倍に達した。一方、多摩ロームは28日程度まで強度が増加した後、ほぼ横ばいとなり、長期養生による強度の伸びは限定的であった。このように、一見同じようなロームでも、強度の発現傾向は異なることに留意する必要がある。

図-3は、生石灰を6%添加した各種土について、コーン指数と養生日数の関係を示したものである。コーン指数はいずれの土でも養生日数とともに増加する傾向を示した。特にロームでは強度の伸びが大きく、7日後には約1,600kN/m²に達した。一方、粘性土と凝灰質粘土でも強度は増加したが、その増加量はロームより小さかった。

建設発生土利用マニュアルでは、石灰系改良土を、6日間の空気中養生後に4日間水浸養生し、その後に実施した強度試験の結果で区分する(現場で必要とされて強度如何にかかわらず)と規定している。図が示すように、養生日数が短い段階で試験すると強度を過小評価し、発生土区分を誤って判断する可能性がある。

土工構造物の性能を確保するために、現場条件を調整しながら様々な手立てを行う際の参考となる指標としてコーン指数を用いるのであればよいが、コーン指数という単一の数値を材料の適用が可能か否かを判断する足切りラインとして利用するのは土の再生利用を促進する観点からも、余り好ましくはないと考えられる。逆に、特定の条件下でコーン指数がある値以上の材料はどんな現場でも適用が可能であるかのように考えることも危険である。

重要なのは「コーン指数がいくつか」だけではなく、「その土をどのように使うか」である。含水比調整、締固め方法、改良処理、利用場所への対応などを組み合わせ、総合的に判断する必要があると考えられる。

図-2 コーン指数の経時変化(多摩ロームと立川ローム)6)編集

図-2 コーン指数の経時変化(多摩ロームと立川ローム)6)編集

図-3 コーン指数と養生日数の関係7)

図-3 コーン指数と養生日数の関係7)

6. おわりに

コーン貫入試験は、比較的簡便に土や地盤の硬さを把握できる有用な試験である。しかし、実務で得られる「コーン指数」は、必ずしも同じ意味を持つ値ではない。JIS A 1228 と JGS 1431 では、試験対象、試験場所、用途、そしてコーン底面積が異なる。

また、建設発生土の利用においては、コーン指数を材料性能そのものとして絶対視しないことが重要である。コーン指数は、土を理解するための入口であり、判断を助けるための情報である。数値そのものを見る前に、試験方法、コーン底面積、評価目的、そして利用条件を確認する。この一手間が、発生土区分やトラフィカビリティ評価の誤解を防ぎ、より確かな施工判断につながると考えられる。

参考文献
  • 1)地盤工学会:地盤材料試験の方法と解説,pp.405-411,2020
  • 2)地盤工学会:地盤調査の方法と解説,pp.337,2013
  • 3)日本道路協会:道路土工要綱,p287,2009
  • 4)(独)土木研究所編:建設発生土の利用マニュアル(第4版) ,p.26,2013
  • 5)東・中・西日本高速道路㈱編:NEXCO試験方法第1編 土質関係試験方法,p17,2017
  • 6)高速道路調査会編:関東ロームの土工-その土質と設計・施工-,p103,1973
  • 7)石灰協会:石灰安定処理マニュアル-第7版-,p43,2016

新着記事

令和の時代の新しい安全対策

2026/10/01
第6回 しかし今、死傷災害は下げ止まり

現場の失敗と対策

2026/10/01
コンクリート工事 4)打設準備(型枠・鉄筋組立・その他) コンクリートの温度ひび割れ照査の失敗

コラム

2026/10/01
コーン指数をどう読むか ―コーン貫入試験の使い分けと留意点―

トピックス

2026/10/01

建設業担い手確保の新しい試み~『第5回コンストラクション甲子園 北海道大会』

高齢化が進む建設業界において、若年層の入職者を増やすことは、将来の国土の安心と安全を確保するための喫緊の課題といわれています...

今月の一冊

2026/10/01

『この一冊で技術者不足を乗り切る 建設事務スタッフ育成マニュアル』

人手不足に悩む建設業において、書類作成や写真整理といった建設技術者の抱えている業務を本社や支店の事務スタッフが代行...